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胃がん
カテゴリー:内視鏡| 2024.05.14
胃がんとは
胃がんは胃の内側の粘膜に発生する癌がんで、日本や韓国で多い病気です。
胃がんはかつて日本人の癌死亡率の第一位でしたが、近年死亡率は低下傾向にあります。一方で胃がんの罹患数は高齢化の影響で非常に増えています。
つまり、かつては亡くなる方も多い病気でしたが、検査や治療の進歩により、早期発見・早期治療を行えば完治が期待できる病気となりつつあります。
胃の壁は顕微鏡でみると粘膜上皮・粘膜・粘膜下層・固有筋層・漿膜というそれぞれの層に分かれています。通常、胃がんは粘膜から発生し、大きくなっていくにつれて粘膜下層・筋層・漿膜と深い層へと浸潤していきます。漿膜より深くまでがんが浸潤すると、胃を突き破って近くにある肝臓や膵臓、横隔膜や大腸など他の臓器に広がっていきます。またお腹の中に癌の細胞が広がる腹膜播種が起こることもあります。
胃がんの原因
ピロリ菌という細菌に感染すると胃に炎症が起きたり、潰瘍ができたりすることがあります。胃の炎症が長期間続くと胃がんになる可能性が高くなると報告されています。
ピロリ菌は胃の粘膜に生息している細菌で、子供の頃に感染し、一度感染すると多くの場合除菌しない限り胃の中に住み続けます。
胃がんの症状
胃がんは早期の段階では自覚症状はほとんどありません。進行すると胃の痛み、不快感、胸焼け、吐き気、食欲不振、体重減少などがおこりますが、進行しても症状がない場合もあります。
また、がんから持続的に出血があることもあるため、便の色が黒くなったり(黒色便)、貧血がある方も要注意です。
これらの症状がある方は健診を待たずに早めに内視鏡検査(胃カメラ)などの検査を受けられることをお勧め致します。
胃がんの検査
胃がんの検査には内視鏡検査(胃カメラ)・バリウムなどがあります。
以前は胃がん検診などでは、バリウム検査がまず行われ、異常があった場合に精密検査として内視鏡検査(胃カメラ)を行うことが一般的でした。バリウム検査はX線を透さないバリウムという液体を飲んだ後にレントゲンを撮る事で胃の形や表面を観察するものです。白黒の影絵を見ているようなものなので、凹凸のない平坦な病変や小さい病変は見つけることができません。一方で内視鏡検査(胃カメラ)は先端につけた小型カメラで直接胃の中を観察するため、粘膜のわずかな隆起や陥凹、色調の違いも認識することができますり
診断の確定のためには内視鏡(胃カメラ)を行った上で組織生検をする必要があります。また、がんは早期診断・早期治療が大切になりますが、早期の小さい病変は内視鏡(胃カメラ)でしかみつけることはできません。
がんは早期発見・早期治療が非常に大切ですが、早期の胃がんでは病変がわずかな隆起や陥凹、色調や模様の違いとしてしか認識できないことがほ多いため、内視鏡検査(胃カメラ)の方が圧倒的に精度の高い検査ができます。さらに内視鏡ではがんが疑われたらその場で組織検査(病変の細胞を採取する検査)を行い、診断を確定することができます。
このような状況を踏まえ、国立がん研究センターの検診研究部では2015年から胃がん検診に内視鏡検査(胃カメラ)を推奨しています。
胃がんの治療
胃がんの治療は病気や体の状態に応じて手術や抗がん剤、もしくはその組み合わせを行っていきます。治療前に血液検査やCT、PET-CTなどで病気の広がりや体の状態を把握し、最適な治療法を検討していきます。
早期に発見でき、病変が粘膜の表層に留まっている場合は内視鏡治療ができる可能性もあります。内視鏡(胃カメラ)の先端から小さな電気メスを出し、胃の粘膜の表面の癌のある領域のみを剥離していく内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)という治療法でお腹を切らずに治療することができます。
当院では宝塚市立病院・関西労災病院・兵庫医大・阪大病院などと連携しておりますので、治療が必要な病気を発見した場合は速やかに高次医療機関にご紹介致します。
胃がんの予防
胃がんの原因であるピロリ菌を除菌すると胃がんの発症リスクが大幅に低下することが知られています。薬を1週間内服するだけで90%以上の方がピロリ菌を除菌できます。通常、治療の2ヶ月後以降にピロリ菌の除菌が成功しているかどうかの確認の検査を行います。
また、ピロリ菌の除菌治療を行っても胃がんになる可能性が完全に0になるわけではないため、定期的な内視鏡検査(胃カメラ)が必要です。除菌後しばらくは年に1回程度、内視鏡検査(胃カメラ)をしておいた方がよいでしょう。
内視鏡検査(胃カメラ)について
当院ではご希望に応じて経鼻(鼻から)と経口(口から)のどちらでも検査を受けて頂けます。口から検査される場合も細いカメラを使用しますので、楽に検査を受けられます。また、麻酔(鎮静剤)を使用して寝ている間に検査をしたり、大腸カメラと同じ日に一度に検査を済ますことも可能です。8:45〜18:30まで検査をしていますので、お仕事前やお仕事帰りに検査を受けて頂く事もできます。詳細は内視鏡検査のページをご確認ください。
食道がん
カテゴリー:内視鏡| 2024.05.13
食道がんとは
食道は食べ物を胃に送る30~40cmほどの細長い管状の臓器です。食道の粘膜の表面から発生するがんを食道がんといいます。約半数が食道の真ん中付近から発生しますが、喉の近くや胃の近くなど食道のどこからでもできゆ可能性があります。また、同時にいくつもの癌がみつかる事があります。
食道の壁の表面に留まるがんを早期がん、もしくは表在癌と呼びます。食道の粘膜の表面から発生したがんさ大きくなると食道の壁の深くまで入り込んでいきます。食道の壁の深くには血管やリンパ菅が走っており、がんがここまで到達するとがん細胞が血液やリンパ液の流れに乗って肺・肝臓などの他の臓器や周囲のリンパ節に飛んでいきます。これを転移といいます。また、がんが大きくなり食道の壁を越えると気管や大動脈など周囲の臓器に広がっていきます。これを浸潤といいます。
食道がんは男性に多い病気ではありますが、女性でも緩やかな増加傾向にあります。食道がんは癌化した細胞の組織型により扁平上皮癌と腺癌の2種類に分けられます。日本では扁平上皮癌が多く、欧米では腺癌が多い傾向にありましたが、最近では日本でも腺癌が増えてきています。
食道がんの原因
日本の食道がんの大半を占める扁平上皮癌はお酒とタバコが主な発生要因であり、これらの習慣がある方はがんの発生率が高まることが知られています。
近年日本でも増加傾向にある腺癌は、逆流性食道炎などで胃酸に食道が持続的に暴露されることで発生します。胃酸により食道に持続的に炎症がおこると、バレット食道という病気になりますが、重度のバレット食道が食道腺癌の発生母地となることが知られています。
お酒を飲んだら顔が赤くなる人は要注意?!
お酒に含まれるアルコールは肝臓でまずアセトアルデヒドに分解され、その後酢酸に分解されます。分解の過程で産生されるアセトアルデヒドが悪酔いや頭痛、ひいては発がんの原因になります。
肝臓では複数の酵素がアルコールを分解する役割を担いますが、アセトアルデヒドの分解に重要な役割を果たす酵素が2型アルデヒド脱水素の酵素(ALDH2)と呼ばれる酵素です。ALDH2の働きが弱いと、毒物であるアセトアルデヒドの分解が遅くなります。ALDH2の働きの強さは遺伝により決まっており、日本人の半数程度は働きの弱い遺伝子型を持っています。ALDH2の働きが弱い方はお酒を飲むとすぐに顔が赤くなります。
ALDH2こ働きが弱い方が習慣的に飲酒を行うと、分解しきれなくなったアセトアルデヒドが体に溜まっていきます。溜まったアセトアルデヒドは気化して唾液に溶け込み、のどや食道の細胞にDNA障害を起こす事で咽頭がんや食道がんの原因になると考えられています。
食道がんの症状
食道がんは早期のうちは自覚症状が出ません。がんが大きくなってくると、食べ物がつっかえる感じがする・胸や背中が痛む・声がかすれる・体重減少などの症状が出ることがあります。このような症状がある方は一度ご相談ください。
食道がんの検査
がんは早期発見・早期治療が重要です。内視鏡検査(胃カメラ)はバリウムやCTでは映らないような小さな早期のがんでもみつけることができます。また、内視鏡(胃カメラ)からNBI(狭帯域光観察)という特殊な光を照射することで、通常の観察ではわからないようなわずかな異常も探知することができます。
食道がんの治療
食道がんの治療は進行度によって大きくことなります。
がんがある程度進行していれば、病気や体の状態に応じて手術・抗がん剤・放射線治療を組み合わせて行っていきます。
食道の粘膜の表面にがんが限局している早期がんの時期にがんを発見することができれば内視鏡治療が可能です。ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)という治療法で、内視鏡(胃カメラ)の先端から小さな電気メスを出し、食道の癌化している領域をミリ単位で剥離していきます。粘膜の表面のみにとどまっている早期のがんではこの方法でお腹を切らずに完治させることができ、入院日数も数日間です。
当院では宝塚市立病院・関西労災病院・兵庫医大・阪大病院などと連携しておりますので、治療が必要な病気がみつかった場合は速やかに高度医療機関にご紹介致します。
食道がんの予防
食道がんを予防するためには禁煙し、飲酒もほどほどに控えることが重要です。特に顔がすぐに赤くなる方は要注意です。最近は低アルコール飲料やノンアルコール飲料のラインナップも充実していますので、飲酒の習慣がある方はこれらを上手に取り入れてみてもよいかもしれません。
また、野菜や果物を積極的に食べることで食道がんができにくくなるという報告もあります。
食道がんは早期に発見できれば内視鏡治療でお腹を切らずに完治させることができる病気です。一方で発見が遅くなれば手術ができず命に関わることもあります。飲酒・喫煙の習慣がある方、胸焼けなどの症状が続く方、その他心配なことがある方は定期的に内視鏡検査(胃カメラ)を受けられることをお勧め致します。
開院いたしました。
カテゴリー:内科全般| 2024.05.10
随時ブログも更新いたしますので、御覧ください。