クリニックブログ

2024年 予防接種・ワクチンについて

カテゴリー:内科全般| 2024.09.27

~予防接種について~

10月1日よりインフルエンザ及び新型コロナワクチンの定期接種、任意接種を開始いたします。

これに伴い、当院ではインフルエンザ、新型コロナ、高齢者肺炎球菌、B型肝炎、子宮頸がん、帯状疱疹のワクチンを取り扱っております。

上記以外のワクチンについても接種可能なものもございますので、ご希望の方はお電話にてお問い合わせください。

各種ワクチン接種料金、接種回数については以下の画像をクリックください。

※当院では、インフルエンザと新型コロナワクチンの同時接種は行っておりません。

※小児点鼻インフルエンザワクチン(フルミスト)は当院入荷分の受付が終了したため、新規のご予約は現在受け付けておりません。(2024/11/05)

予防接種を受ける前の注意事項がございますので、ご確認ください。

◇注意事項◇

◇接種前にご自宅で体温を測定し、明らかな発熱(37.5℃以上)がある場合や体調が悪い場合などは、ワクチン接種をお控えください。

また、重篤な急性疾患にかかっている方、以前ワクチン接種によりアナフィラキシーショックを引き起こした方、予防接種を行うことが不適切だと医師が判断した場合には予防接種を受けられない場合があります。

◇接種日から次の接種までの間隔をご確認ください。原則として、生ワクチンを接種した後は他の生ワクチンを接種するまでは接種後4週間(中27日)以上間隔を空ける必要があります。。BCG・MRワクチン(麻疹・風疹混合)・麻疹・風疹・水痘・ロタウイルス・流行性耳下腺炎(おたふく風邪)・黄熱病のワクチンなどが該当します。

◇当日は、診察券(受診歴のある方)、保険証またはマイナンバーカード、予診票・接種券をお持ちの方はご持参お願いします。

◇20歳以下の方は、母子手帳をご持参ください。(お忘れの場合は受けていただけませんのでご注意ください)小児の方は、医療証もご持参ください。

◇ワクチンは肩に注射しますので、Tシャツなど肩を出せる服でご来院ください。

◇待ち時間の短縮のため、以下の予防接種に関しては、あらかじめ予診票をダウンロードし、印刷・記入していただくことができます。記載後の予診票は当日お持ちください。

クリニックにて予診票をお渡しし、その場で記載して頂くことも可能です。

シルガード(子宮頸がんワクチン)

0426revised_silgard9_prechecksheet_word24.pdf (msdconnect.jp)

シングリックス(帯状疱疹ワクチン)

https://grandclinic.or.jp/wp-content/uploads/2024/01/%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9_%E4%BA%88%E8%A8%BA%E8%A1%A8.pdf

ニューモバックス(肺炎球菌ワクチン)

pneumococcal_polysaccharide_vaccine_inquiry_form.pdf (msdconnect.jp)

ヘプタバックス(B型肝炎ワクチン)

heptavax_prechecksheet_j_a.pdf (msdconnect.jp)

 

インフルエンザワクチン及びコロナワクチンの説明をさせていただきます。

  • インフルエンザワクチン

インフルエンザウイルスは、毎年違う種類が流行するため、予防接種も毎年行う必要があります。日本では毎年12月~翌3月頃の間に流行します。インフルエンザワクチン1回接種による持続期間は約5カ月、そして接種後に効果がでるまでに約2週間かかると言われています。これを考慮し、10月下旬~12月頃に接種することが望ましいです。下記の定期接種対象に該当する方は宝塚市より接種代金の補助が出ます。

定期接種の対象者について(令和6年10月1日~令和7年1日31日)

・満65歳以上の宝塚市民の方

・満60~満65歳未満の人で心臓、腎臓、著しい呼吸器の機能障害またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能障害を有し、身体障害手帳1級の認定を受けている宝塚市民の方

・尼崎市、西宮市、芦屋市、伊丹市、川西市、三田市、猪名川町に住民票がある方で、上記に該当する場合(今年度より他市依頼書は不要です)

 

  • 新型コロナワクチン

2024年3月までは、特例接種として自治体が指定する医療機関・接種会場にて公費(無料)で接種できていましたが、令和6年度4月以降の新型コロナワクチン接種は、予防接種上の特例臨時接種から変更となり、季節性インフルエンザと同様のB類疾病の定期接種に位置づけられました。定期接種の対象に該当する方は宝塚市より接種代金の補助が出ます。

定期接種の対象者について(令和6年10月1日~令和7年1日31日)

・満65歳以上の宝塚市民の方

・満60~満65歳未満の人で心臓、腎臓、著しい呼吸器の機能障害またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能障害を有し、身体障害手帳1級の認定を受けている宝塚市民の方

・尼崎市、西宮市、芦屋市、伊丹市、川西市、三田市、猪名川町に住民票がある方で、上記に該当する場合(今年度より他市依頼書は不要です)

※今年度より市から配布されるクーポンや予診票はありません。

<注意事項>

・前回のコロナワクチンの接種から少なくとも3カ月経過した後に接種可能です。過去にコロナワクチン接種歴のない場合は、4週間の間隔をおいて2回目を行うことが可能です。

  • 高齢者肺炎球菌ワクチン

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  • B型肝炎ワクチン

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  • 子宮頸がんワクチン

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  • 帯状疱疹ワクチンについて

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予防接種後を受けたあとの注意事項について

◇予防接種を受けたあと30分間程度は、体調の変化に注意してください。

当院で副反応の観察をさせていただくことがあります。

◇接種した日は、普段通りの生活で構いません。ただし、激しい運動は避けましょう。過度な飲酒もお控えください。

◇接種した日の入浴は構いませんが、接種部位を強くこするのは避けましょう。

◇生ワクチンは接種4週間、不活化ワクチンは接種後1週間、副反応の出現に注意してください。

 

※基本的にワクチン在庫はご予約に応じ調整しておりますので、接種を希望される方は、あらかじめお電話か当院のホームページよりご予約をお願いいたします。

予約の変更、キャンセル等はお早めにご連絡お願いいたします。

肺炎球菌ワクチン

カテゴリー:内科全般| 2024.09.27

肺炎球菌ワクチン

肺炎は、日本人の死因の第5位となっています。成人の肺炎の2~3割は「肺炎球菌」という細菌により引き起こされます。この肺炎球菌が起こす肺炎の一部は予防接種で防ぐことができます。肺炎球菌には約90種類の血清型がありますが、高齢者肺炎球菌の予防接種は、その中でも成人の重症肺炎の原因となる23種類に効果があります。すべての肺炎を防ぐわけではなく、重症化を防ぐためのワクチンです。

定期接種の対象者について

・宝塚市に住民票がある65歳の方(65歳の誕生日の前日から66歳の誕生日の前日まで)

・60~64歳で心臓、腎臓、著しい呼吸器の機能障害・ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能障害により身体障害者手帳1級をお持ちの、宝塚市に住民票がある方

〈注意事項〉

・過去に肺炎球菌ワクチンを接種した方は定期接種の対象外となります。

また、接種歴のある方は5年間接種ができませんのでご注意ください。

B型肝炎ワクチン

カテゴリー:内科全般| 2024.09.27

B型肝炎ワクチン

乳幼児期に3回の接種を行った場合、ほぼすべての人がB型肝炎に対する免疫(HBs抗体)を獲得することができます。獲得した免疫は少なくとも15年間持続することが確認されています。20歳代までに接種を行った場合も高い効果が期待できます。

ただし、B型肝炎のワクチンの効果は年齢とともに低下します。例えば、40歳を過ぎてからのワクチン接種により免疫を獲得できるのは、80%と高い確率で感染を予防することができます。

接種間隔について

成人におけるB型肝炎ワクチン接種は、初回・1か月後・6カ月後の3回接種が基本です。

子宮頸がんワクチン

カテゴリー:内科全般| 2024.09.27

子宮頸がんとワクチンについて

子宮頸がんとは、子宮の出入り口に近い「子宮頸部」にできるがんで、年間約10000人が発症し、約3000人が命を落としています。がんは年齢が高い方ほどかかりすいというイメージですが、子宮頸がんの発症のピークは出産年齢期の20~40代の女性に多いがんです。

幼い子どもを残して亡くなる人が多いことから「マザーキラー」という異名が付けられています。

 

子宮頸がんのほとんどは、発がん性のあるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因です。HPVは100種類以上あるありふれたウイルスで、性交渉で人から人へうつります。

HPVに感染した人のうち一部で、子宮頸がんに進行します。

 

子宮頸がんワクチンとは、子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐためのワクチンです。

2013年から定期接種になりましたが、副反応への心配から接種率が大幅に下がってしまいました。日本では今、若い女性の子宮頸がんの罹患率が増加しています。

ワクチンの効果と安全性について、世界中できちんと確認されたことによって、2021年11月より積極的推奨が再開されました。

 

 

ワクチン接種で予防できます

2023年4月からは、従来のワクチンよりも、さらに効果的なシルガード9®(9価ワクチン)が定期接種で接種可能になりました。

HPVにはいくつかの種類があり、9価ワクチンは、このうち9種類のHPVの感染を防ぐワクチンです。その中でも、子宮頸がんの80~90%を占める、7種類のHPVの感染を予防できます。

子宮頸がん以外にも、外陰上皮内腫瘍、膣上皮内腫瘍、尖圭コンジローマの発症を防ぐことができます。

 

定期接種・キャッチアップ接種の対象者は公費で接種できます

子宮頸がんワクチンの定期接種の対象者は、小学校6年生~高校1年生相当の女の子です。

また定期接種の機会を逃した平成9年度生まれ~平成18年度生まれの女性は、令和4年4月~令和7年3月までの3年間限定で公費での接種が可能です(キャッチアップ接種)。

定期接種およびキャッチアップ接種の対象者は、公費により原則自己負担なしで接種を受けることができます。

 

接種間隔は、1回目を15歳までに受ける場合は、1回目から6カ月後に2回目を接種します(計2回)。1回目の接種を15歳になってから受ける場合は、1回目から2か月後に2回目を、1回目から6カ月後に3回目を接種します(計3回)。

 

詳しくは、市のホームページをご確認ください。

 

命を守るためにも早めの接種をご検討ください

対象となる方は早めのHPVワクチン接種をお勧めしますが、接種は強制ではなく、あくまで本人の意思に基づくものです。接種対象者やその保護者の同意が必要です。

実際にワクチン接種を受ける際は、ワクチンの効果とリスクを十分に理解した上で、受けるかどうかの判断をお願いします。

また、接種後30分間は院内で副作用の有無を確認させていただきますので、時間に余裕をもってご来院ください。

 

当院での予防接種は事前に予約が必要になりますので、WEBまたはお電話にてご予約をお願いします。子宮頸がんワクチンについての不安や疑問がある方は、お気軽にご相談ください。

逆流性食道炎

カテゴリー:内視鏡| 2024.08.09

逆流性食道炎とは

胃酸などの胃内容物が食道内に逆流する病気の総称を胃食道逆流症(GERD)と言い、そのうち食道の粘膜に炎症が出ているものを逆流性食道炎と言います。逆流性食道炎は成人の10〜20%の方がかかっていると言われています。

また、逆流性食道炎と同様に胃酸の逆流によって起こる病気にバレット食道というものがあります。これは本来は酸に弱い食道の粘膜が、日常的に胃酸の逆流に暴露されることよって、酸に強い胃の粘膜のように変化していってしまった状態です。内視鏡(胃カメラ)で観察すると胃の粘膜が食道の方まで伸びてきているように見えます。バレット食道自体は治療の必要性のあるものではありませんが、重度のものになると食道がんの発生母地となることが知られています。

 

逆流性食道炎の原因

食道と胃のつなぎ目(食道胃接合部)には食道括約筋という筋肉があり、胃の内容物が食道内に逆流しないように胃の入口を締め付けています。この食道括約筋が緩むことで、胃と食道のつなぎめの締まりが弱くなり、胃の一部が横隔膜より上に脱出してしまう状態を食道裂孔ヘルニアと言います。食道裂孔ヘルニアがある方は胃酸が食道内に上がってきやすく、逆流性食道炎も合併しやすいです。

また食道や胃の蠕動運動が低下する事で食道内に胃酸が逆流・滞留し、炎症が起こりやすくなります。健康な人でも胃酸の逆流が起こる事はありますが、時間が短いためあまり問題になることはありません。

手術で胃を摘出した方でも逆流性食道炎が起こることがあり、胃酸だけではなく胆汁などの逆流も原因のひとつになっているのではないかと言われています。

 

逆流性食道炎の症状

典型的な症状としては胸焼け(酸っぱい液が上がってくる・胸〜お腹に焼けつくような不快感がある)がありますが、炎症のおこる部位により症状は様々です。

食道と下の方のみに炎症が起こっている方はお腹の痛みとして症状を自覚される場合もあります。また、喉の方まで酸が上がってくることもあり、慢性的な喉の痛みや咳の原因となっている事もあります。

一方で食道裂孔ヘルニアがあったり、食道の粘膜が荒れていたりしてもそれほど胸焼けなどの自覚症状がない方もおられます。食道内の知覚神経の過敏性が症状の自覚しやすさと関係しているという報告があります。

 

逆流性食道炎になりやすいヒトの特徴

・食べ過ぎ・早食い

食べ過ぎで胃に内容物が貯留しすぎると、食道内に逆流しやすくなります。また、早食いの方はよく噛まずに飲み込むので食べ物と共に多量の空気も飲み込んでしまいます。すると同様に胃内が膨張し、内容物が逆流しやすくなります。

・高脂肪食

脂肪を摂取するとコレシストキニンというホルモンがほ分泌され、胃と食道のつなぎ目が緩み、胃酸が逆流しやすくなります。

・食べてすぐに横になる

食後は最も胃酸が多い時間帯です。寝る直前に食事をすると夜間に胃液が食道に上がってきて、朝起きた時に胸焼け症状が出やすくなります。

 

逆流性食道炎の検査

内視鏡検査(胃カメラ)により、逆流性食道炎や食道裂孔ヘルニアの有無を確認することができます。

大学病院などでは食道の蠕動運動や内圧の検査を行っている施設もあります。

 

逆流性食道炎の治療

お薬による治療が中心になります。

胃酸を抑える薬、食道や胃の動きをよくする薬などを病気やゆ体の状態に合わせて組み合わせて使っていきます。

胃酸を抑える薬はH2ブロッカー、プロトンポンプインヒビター(PPI)、ボノプラザン(PCAB)など様々な薬がありますので、お一人お一人の症状に応じて薬の種類や内服のタイミングを調整していきます。

重度の逆流性食道炎は手術で症状が改善することもあります。当院は宝塚病院など逆流性食道炎の手術経験豊富な病院と病診連携をしておりますので、必要に応じてご紹介させて頂きます。

 

逆流性食道炎の予防

肥満があると胃酸の逆流が起こりやすいので、体重のコントロールが逆流性食道炎の予防になります。

アルコールやタンパク質の多い食事、脂質の多い食事、コーヒーなども胃酸の分泌を促進すると言われています。胸焼けが気になる方は空腹時にはコーヒーは控えた方がよいかもしれません。

また、夜間の症状が強い場合は、就寝前の食事を避ける・寝る時に背中に布団を一枚かませて上体を少し起こして就寝するなどの方法で症状が改善する事もあります。