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子宮頸がんワクチン
カテゴリー:内科全般| 2024.09.27
子宮頸がんとワクチンについて
子宮頸がんとは、子宮の出入り口に近い「子宮頸部」にできるがんで、年間約10000人が発症し、約3000人が命を落としています。がんは年齢が高い方ほどかかりすいというイメージですが、子宮頸がんの発症のピークは出産年齢期の20~40代の女性に多いがんです。
幼い子どもを残して亡くなる人が多いことから「マザーキラー」という異名が付けられています。
子宮頸がんのほとんどは、発がん性のあるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因です。HPVは100種類以上あるありふれたウイルスで、性交渉で人から人へうつります。
HPVに感染した人のうち一部で、子宮頸がんに進行します。
子宮頸がんワクチンとは、子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐためのワクチンです。
2013年から定期接種になりましたが、副反応への心配から接種率が大幅に下がってしまいました。日本では今、若い女性の子宮頸がんの罹患率が増加しています。
ワクチンの効果と安全性について、世界中できちんと確認されたことによって、2021年11月より積極的推奨が再開されました。
ワクチン接種で予防できます
2023年4月からは、従来のワクチンよりも、さらに効果的なシルガード9®(9価ワクチン)が定期接種で接種可能になりました。
HPVにはいくつかの種類があり、9価ワクチンは、このうち9種類のHPVの感染を防ぐワクチンです。その中でも、子宮頸がんの80~90%を占める、7種類のHPVの感染を予防できます。
子宮頸がん以外にも、外陰上皮内腫瘍、膣上皮内腫瘍、尖圭コンジローマの発症を防ぐことができます。
定期接種・キャッチアップ接種の対象者は公費で接種できます
子宮頸がんワクチンの定期接種の対象者は、小学校6年生~高校1年生相当の女の子です。
また定期接種の機会を逃した平成9年度生まれ~平成18年度生まれの女性は、令和4年4月~令和7年3月までの3年間限定で公費での接種が可能です(キャッチアップ接種)。
定期接種およびキャッチアップ接種の対象者は、公費により原則自己負担なしで接種を受けることができます。
接種間隔は、1回目を15歳までに受ける場合は、1回目から6カ月後に2回目を接種します(計2回)。1回目の接種を15歳になってから受ける場合は、1回目から2か月後に2回目を、1回目から6カ月後に3回目を接種します(計3回)。
詳しくは、市のホームページをご確認ください。
命を守るためにも早めの接種をご検討ください
対象となる方は早めのHPVワクチン接種をお勧めしますが、接種は強制ではなく、あくまで本人の意思に基づくものです。接種対象者やその保護者の同意が必要です。
実際にワクチン接種を受ける際は、ワクチンの効果とリスクを十分に理解した上で、受けるかどうかの判断をお願いします。
また、接種後30分間は院内で副作用の有無を確認させていただきますので、時間に余裕をもってご来院ください。
当院での予防接種は事前に予約が必要になりますので、WEBまたはお電話にてご予約をお願いします。子宮頸がんワクチンについての不安や疑問がある方は、お気軽にご相談ください。