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このような症状が出たら 頭痛

カテゴリー:内科全般| 2025.12.03

頭痛の原因としては、頭の病気だけではなく、精神的なストレスや全身的な病気など様々なものが挙げられます。そのため一言に頭痛と言っても、原因によって痛みを感じる部位が異なり、「頭の表面が痛い・奥の方が痛い」「頭の一部が痛い・全体が痛い」「にぶい痛み・鋭い痛み・ズキズキするような痛み」など様々な症状として表れます。また、めまいや嘔吐などの症状を伴うこともあります。

 

痛みを感じる部位

以下の各組織の刺激が頭痛として感じられます。

・頭蓋骨外の皮膚・皮下組織・腱膜・筋・動脈・骨膜

・目・耳・鼻・副鼻腔

・頭蓋骨内の血管

・脳神経

 

頭痛の分類

頭痛は以下の種類に分類されます。

  • 慢性的に繰り返して出現するもの(機能性頭痛)

・偏頭痛(血管性頭痛)

古典的なものとしては前駆症状(目がチカチカする・気分が悪い・吐き気がするなど)が出現します。ただし、前兆なく頭痛が起こる方のほうが多いです。

頭がズキズキするような痛みで吐き気や光・音・匂いなどに対する過敏症を伴うことがあります。

若年~中年の女性に多く、40%以上に家族歴がみられます。ストレスなどからの解放後に起こることが多く、女性は発作の出現と月経周期との関係も深いと言われています。

発作時は治療薬を内服した上で、なるべく刺激を避け、暗く静かな場所で安静にして、頭を冷やしましょう。

・緊張性頭痛(収縮性頭痛)

後頭部・前頭部あるいは頭全体に締め付けるような痛みが出ます。頭頸部の姿勢やストレスにより頭頸部を中心とする筋肉が持続的に収縮し(いわゆるコリ)、筋肉の血流が悪くなって痛みを感じます。夕方に強くなることが多く。吐き気や光・音への過敏症は伴いません。

ストレッチや体操などで首・肩のコリをほぐし、ストレスを回避することが重要です。

・群発性頭痛

片方の目の奥~側頭部にえぐられるような激痛発作が1時間ほど持続します。痛みは深夜に起こることが多いと言われています。1日1~

3回の発作が1~2ヶ月の間にまとまっておこります。頭痛が起こっている側で目の充血、流涙、鼻水・鼻づまりなどの症状を伴います。アルコールなどで誘発されることがあります。

  • 緊急性を要する頭痛

脳出血・くも膜下出血などの脳血管障害による頭痛は早急に治療を行う必要があります。

これらの頭痛は

・これまでの人生で感じたことのないほどのひどい頭痛

・麻痺・意識障害・失語などの症状がある

・突然発症する(何をしている時に痛みが始まったか答えられる)

などの特徴があります。上記の特徴を伴うような頭痛が出現した場合には一分一秒を争う可能性がありますので、ためらわずに救急車を呼んでください。

  • 頭蓋内疾患による頭痛

脳腫瘍や脳炎・髄膜炎・水頭症・硬膜下血腫などの病気は頭蓋内圧亢進(頭蓋骨の内側に腫瘍・炎症・血腫などがあることにより頭蓋内容積が増大し、神経や硬膜が引き延ばされることで痛みが出現する)により頭痛を生じます。吐き気・嘔吐を伴うことがあります。これらも迅速に治療を受けることが必要です。

・薬物の過剰摂取による頭痛

市販薬の鎮痛剤やカフェインを摂取しすぎると頭痛の原因になることがあります。

・顔面の炎症からくる頭痛

緑内障・目の炎症・眼精疲労

中耳炎・耳の腫瘍

副鼻腔炎・

虫歯

帯状疱疹(ヘルペス)

など頭以外の部位に原因がある場合もあります。

 

頭痛は多くの方が経験する症状ですが、中には緊急で治療が必要な場合もあります。特に突然発症した場合・麻痺や意識障害などの症状を伴う場合・これまでに経験したことがないほどの強い痛みを感じた場合はくも膜下出血などの緊急性の高い病気が原因の可能性がありますので、ためらわずに救急車を呼んでください。