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帯状疱疹ワクチン
カテゴリー:内科全般| 2024.07.27
当院では、7月1日より帯状疱疹ワクチンである「シングリックスR」の接種を開始いたしました。
帯状疱疹とは?
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる感染症です。
体の片側に痛みやチクチクした感覚、かゆみが生じ、その後赤い発疹が出現します。
多くの場合、水疱瘡はこどもの時に発症しますが、症状がなくなっても原因である水痘ウイルスは成人の90%以上は体内に潜んでいます。
その水痘ウイルスはストレスや疲労などにより免疫力が低下したときに活性化し、神経を伝わって皮膚に到達し、痛みを伴い発疹(帯状疱疹)として現れます。
50歳代から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が発症すると言われています。
帯状疱疹後神経痛(PHN)って何?
帯状疱疹自体は一時的な皮膚の病気であり、適切な治療により通常は数週間で治癒します。
しかし、帯状疱疹で最も恐ろしいのは、帯状疱疹後神経痛(PHN)という長期的な合併症です。
発疹が治ったあとでも神経系の痛みが残ることもあり、3か月以上続くものを帯状疱疹後神経痛(PHN)といいます。これは神経がウイルスにより損傷されることで引き起こされます。
50歳以上で帯状疱疹を発症した人のうち、約2割の方が帯状疱疹後神経痛(PHN)になるといわれています。顔面に発症すると目や耳の神経が傷つくことで視力低下や難聴などをきたすこともあります。
特に高齢者でリスクが高く、帯状疱疹後神経痛(PHN)を防ぐためにも帯状疱疹の発症予防がとても大切です。
帯状疱疹の予防接種について
帯状疱疹を予防するための有効な手段として予防接種があります。
これまで帯状疱疹の予防には生ワクチンが用いられていましたが、2020年より新たに不活化ワクチンであるシングリックスRが使えるようになりました。生ワクチンとはウイルスの毒性を弱めて病原性をなくしたものを原材料として作られたワクチンですので、免疫力が低下している方には摂取することができません。一方で不活化ワクチンはウイルスを殺して毒性をなくし、その一部の成分のみを取り出してワクチン化したものですので、摂取してもその病気になることはありません。発症予防は従来型生ワクチンが50%程度なのに対して、50歳以上で97.2%、帯状疱疹不活化ワクチンは70歳以上で89.8%の予防効果があるという報告もあり、非常に効果が高いといわれています。
持続効果期間は弱毒生ワクチンが5年程度に対して、帯状疱疹不活化ワクチンは現時点で9年程度免疫が持続することがわかっています。
帯状疱疹不活化ワクチンの対象者・接種方法
50歳以上の方…1回目の接種から2か月の間隔をおいて2回目の接種を行います
帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の方…1回目の接種から1~2か月の間隔をおいて2回目の接種を行います
※2回接種することで十分な予防効果が得られるため、必ず2回接種するようにしてください。
ワクチン接種ができない方
・明らかな発熱(通常37.5度以上)がある方
・重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな方
・本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことが明らかな方
・上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適切な状態にある方
ワクチンの副反応について
通常のワクチン接種と同様、体内で強い免疫をつくろうとする仕組みが働くために副反応が起こります。
最も多いのが注射部位の局所反応で、痛み、赤み、腫れが起こりやすいといわれています。
全身性の副反応では、筋肉痛、疲労、頭痛、悪寒、発熱、胃腸症状で、ほとんどが3~7日以内に改善されます。
費用について
シングリックス:22,000円(税込み)×2回分
※宝塚市では、帯状疱疹予防接種費用の助成制度が開始されました。
接種時の年齢が満50歳以上の方は、お一人につき1回限り4,000円助成されます。
詳しくは宝塚市のホームページをご覧ください。
当院で帯状疱疹ワクチン(シングリックス)をご希望の方へ
予防接種は事前に予約が必要になりますので、当院WEBまたは電話にてご予約をお願いします。
帯状疱疹ワクチンについての不安や疑問がある方は、お気軽にご相談ください。