バックナンバー
食道静脈瘤
カテゴリー:内視鏡| 2024.05.19
食道静脈瘤とは
食道静脈瘤は肝硬変に合併する、食道の血管が膨張する病気です。食道・胃・腸などから出る細い静脈は1本の太い血管に集まっていき、肝臓に流入していきます。この肝臓に流入する太い血管を門脈と言います。肝硬変になると肝臓が硬くなり、門脈の血液が肝臓の中にスムーズに入って行きづらくなります。すると血液の流れが渋滞のような状態となり、食道や胃の静脈がパンパンに膨張してしまいます。これを静脈瘤と言います。血液の渋滞に血管が耐えきれなくなると静脈が破れ(静脈瘤破裂)、命に関わるほどの大出血を起こします。よく映画やドラマでお酒飲みの人が血を吐いているシーンがありますが、おそらく食道静脈瘤が破裂したものだと思われます。
食道静脈瘤の原因
食道静脈瘤は肝硬変に合併する病気ですので、B型肝炎やC型肝炎などのウイルス性肝炎、
脂肪肝やアルコールなどによる肝障害が原因となります。稀に肝臓が悪くなくても先天的な血管の異常で静脈瘤ができる方もおられます。
食道静脈瘤の症状
静脈瘤そのものは無症状ですが、破裂すると命に関わるほどの大出血を起こします。
破裂する前に発見し、治療する事が大切です。
食道静脈瘤の検査
内視鏡検査((胃カメラ)で実際に食道を見る事で診断します。
肝硬変の方は年に1回程度内視鏡検査(胃カメラ)を受ける事をお勧め致します。
食道静脈瘤の治療
破裂の兆候が見られた場合は予防的に内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)や内視鏡的静脈瘤硬化療法を行う場合があります。
た当院は宝塚市立病院・関西労災病院など近隣の中核病院と病診連携しておりますので、治療の必要のある方は速やかにご紹介いたします。
食道静脈瘤の予防
肝硬変を予防することが食道静脈瘤の予防になります。食べ過ぎ・飲み過ぎを避けること、健診で肝臓の異常を指摘されたら速やかに専門医を受診する事が大切です。