内視鏡検査

大腸カメラ検査について

2-1.大腸カメラとは

大腸カメラ検査は、肛門から内視鏡を挿入し、大腸粘膜を観察することで、大腸ポリープや大腸がんを診断する検査です。大腸がんは近年増加傾向にあり、厚生労働省の発表では男女合計の罹患数第一位となっています。一方で、早期に発見し治療することができれば100%近くの方ががんで死亡することなく助かる病気でもあります。定期的に大腸の検査を行っておき早期に発見することが、大腸がんの予防・治療に重要となります。
検査は20~30分ほどで、その場でポリープを切除することもできます。大腸ポリープ(腺腫)は大きくなると大腸がんとなるため、早期の段階で治療することが重要です。アメリカで行われた大規模な臨床試験(National Polyp Study)により大腸ポリープを内視鏡で切除することで大腸がん死亡率が大幅に低下することがわかっており、厚生労働省が主導し国立がんセンターなど日本のトップレベルの内視鏡施設が参加した研究(Japan Polyp Study)からも同様の報告がなされています。
症状がなくても40歳を過ぎたら、それよりお若くても気になる症状があれば一度検査を受けておくことをお勧め致します。

2-2.検査をお勧めする症状

このような症状のある方は
大腸カメラをお勧めしています。

  • 便秘気味である
  • 血液の混じった便が出る
  • 慢性的なお腹の痛みがある
  • お腹が張る
  • 慢性的な下痢がある
  • 食欲がない
  • 体重が減ってきている
  • 貧血があると言われた
  • 検診で便潜血検査が陽性だった
  • 血縁者に大腸がんにかかられた方がいる

2-3.大腸カメラでわかる病気

2-4.当院の大腸カメラ検査の特色

1専門医による安心の検査
内視鏡学会専門医の資格をもち、総合病院・大学病院で内視鏡検査・治療に従事してきた経験がある院長が担当いたします。豊富な経験と知識に基づいた、丁寧で正確な検査をご提供します。
2患者様に寄り添い、苦痛の少ない検査
ご希望される方には鎮静剤・鎮痛剤を使用することで、検査中の痛みや不快感を軽減し、楽に検査を受けて頂くことができます。また、内視鏡(大腸カメラ)の進む方向の確認や、腸内の観察のために腸の中に空気を入れながら検査を行いますが、この空気がお腹の痛みや張りの原因となります。当院では空気の代わりに少量の水やお腹に残りにくい炭酸ガスを使用し、なるべく苦痛の少ない検査を心がけています。
3専用トイレ付き個室あり(要予約)

大腸カメラを行う際、ご自宅で下剤を飲み、その後来院して頂くことが一般的です。しかし、一人で下剤を飲みことが不安であったり来院までの時間が心配だという方もおられると思います。
当院では、専用トイレ付き個室を用意しておりますので、希望される方は院内で下剤を飲んで頂きそのまま検査を受けて頂くことも可能です。

4胃・大腸同時に検査可能
希望される方には胃カメラと同時に検査を行うことも可能です。検査のために来院頂く回数を減らすことができます。
※麻酔(鎮静剤)について
当院では一般的に内視鏡検査で用いられるミダゾラムという薬剤を静脈内投与します。効果には個人差がありますが、多量に使用すると呼吸抑制・血圧低下などの副作用が出てしまうため、安全な量を使用致します。検査が終わったあともお薬は体の中にしばらく残りますので、フラフラしたり眠くなったりすることがありますので、その日一日は車・バイク・自転車の運転はできません。帰り道に転倒などすると危ないですので、ご高齢の方は検査の日は付き添いの方と一緒に来院されることをお勧めします。また、麻酔を使ったあとは大事な説明を聞いても忘れてしまうことがあるため、検査結果の説明は後日にさせて頂きます。

2-5.検査の流れ

1検査予約

大腸カメラをご希望の方は事前の外来受診が必要です。
予約フォームより外来受診日・検査日を合わせて予約できます。

2検査前日

夕食は20時までに摂取してください。
食事は消化がよく大腸に残りにくい食事を摂取して頂きます。
大腸内視鏡専用検査食を購入される方は、検査食のみお召し上がりください。
お通じを良くするために水分を多めにとってください。アルコールの摂取はお控えください。
前日夜寝る前にセンノシドを3錠内服してください。

3検査当日

当日朝より下剤を内服してください。(詳細はこちらをご参照ください)検査終了まではお食事は控えてください。水・お茶は摂取可能です。
糖尿病のお薬・インスリン注射は当日朝中止してください。その他の薬は朝7時までに内服してください。
ご自宅で洗浄液を1~2L飲んで頂きます。
指定されて頂いた時間までに来院し、診察券・同意書を提出し、受付をしてください。
必要に応じて洗浄液の追加内服や、浣腸の追加が必要なことがあります。

4検査

腸の動きを抑えるお薬を注射します。また、希望される方には鎮静剤の点滴を行います。検査時間は約10~20分です。ポリープ切除を行った場合は30分ほどかかることもあります。

5検査後

医師より検査結果の説明があります。組織検査・ポリープ切除を行った場合は詳細な結果説明は後日となります。 鎮静剤を使用した場合はリカバリールームで30分~1時間程度休んで頂き、結果説明は後日行います。鎮静剤を使用した場合はその日は自動車・バイク・自転車の運転はできません。

2-6.大腸カメラの検査費用

大腸カメラ 1割負担の場合 3割負担の場合
大腸カメラ(観察のみ) 約2,500円 約7,500円
大腸カメラ+
病理組織検査
約3,500円~5,000円 約10,000~16,000円
大腸ポリープ切除 約8,000円~10,000円 約20,000~30,000円
  • 上記費用とは別に、初・再診料や前処置の薬剤費が必要です。
  • 病理組織検査やポリープ切除は、組織やポリープを取った部位やポリープの大きさによって保険点数(料金)が異なります。
  • 大腸ポリープ切除は、日帰り手術に該当します。該当する民間保険に加入されている場合は、診断書をご提出ください。